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任意後見制度とは

2022 . 10 . 03

任意後見制度とは

「任意後見制度」は、判断能力が不十分となった時に備え、事前に後見人を選び、公証人役場で公正証書にて任意後見契約を結んでおく制度です。
この制度のメリットは、「後見監督人(家庭裁判所が選任)が後見業務をチェックすること」です。
任意後見人は自由に契約手続や財産管理ができるわけではなく、全ての財産管理状況を家庭裁判所が選任した後見監督人に報告する義務があります。
内容は全て確認されるので不正はすぐに発覚します。
つまり、任意後見制度は安心して活用できる制度なのです。

 

任意後見人の3つの業務と役割

任意後見人の3つの業務と役割
任意後見人の業務は任意後見契約で定めます。契約に定める主な業務をご説明します。

①財産管理業務

生活費管理や不動産管理、年金手続、各種支払等を指します。

②生活の配慮

本人との定期面談、主治医やケアマネージャーなどの関係者と情報交換し、本人の生活について検討、対処することです。

③各種契約手続

施設の入居手続、医療機関との医療サービス提供の契約など、必要な契約を全て行うことです。

任意後見契約締結後、本人が自分で財産管理等ができる間は、後見人業務は発生しません。
本人が重度認知症となった時に後見人は業務を開始し、原則として本人が判断能力を回復するか、逝去するまで継続します。

 

任意後見制度はいつ契約すべきか

任意後見制度はいつ契約すべきか

認知症になる前に、信頼できる事業者と、公証人役場で公正証書で契約しておく必要があります。
同居の家族がいれば、それが一番安心ですが、家族がいない人は、終活サポート事業者と、認知症になる前に、公証人役場で見守り契約と任意後見契約を公正証書で締結して、定期的に異常がないか確認の連絡をもらってください。

任意後見制度は、成年後見制度の一部です。重度の認知症になる前に、終活サポート事業者と任意後見契約をしておけば、重度の認知症となったときに、終活サポート事業者が後見人となり、後見人のサービスを受けることができます。

この任意後見契約時点では将来の後見業務を依頼する契約をするだけで、終活サポート事業者へ財産を預ける必要はありません。

任意後見契約を締結しても、本人が自分で財産管理や各種の契約などを自分でできる間(自分で財産管理したいと思う間)は、自分で管理することとなります。

 

認知症でなくても利用できる、任意後見制度

認知症でなくても利用できる 任意後見制度
認知症となる前であったとしても、自分でする財産管理に不安があるなら、その事業者と契約して、通帳や印鑑を預けることもできます。

自宅に高額な現金を置かないで、通帳に現金を全部入れておき、その通帳を、信頼できる事業者にあずけておけば、銀行でお金を引き出す時に、その通帳を預けている事業者に、「通帳を出して」と頼むことになります。

そうすれば、通帳を預かっている事業者が「何の支払いの目的で通帳からお金を引き出すか」確認してから、通帳を受け取ることになるので、特殊詐欺被害防止に効果があります。

 

任意後見制度を利用すべき理由

任意後見制度を利用すべき理由
老後の費用節約のため、任意後見契約は締結しないと思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、それによって老後の財産を損失する可能性を考えてみるといかがでしょうか。
特殊詐欺で全ての預貯金を騙し取られる可能性を考えると、任意後見制度は「安心して長生きするための保険」といえます。

そう考えると、任意後見制度とは長生きするための保険です。
つまり、信頼できる人と任意後見契約をするということは、もし認知症になっても、その信頼できる人(個人または法人)が後見人になるという保険をかけることと同じことです。
特殊詐欺の被害にあうと、少なくとも100万円くらいから、数千万円くらいの被害であることが多いです。

任意後見契約のための費用を節約したがために、数千万円の被害にあってしまうかもしれません。
だから、認知症になる前に、重度の認知症になった場合の後見人を決めておく必要があり、そのための制度が、任意後見制度です。

関連記事>>「特殊詐欺の手口と対策」

 

任意後見制度についてのまとめ

任意後見制度は、判断能力が不十分となった時に備える制度で、「安心して長生きするための保険」です。

また、特殊詐欺から自分と家族を守るための対策の一つの手段でもあります。
認知症になる前にあらかじめ信頼のおける人(個人または法人)と任意後見契約をしておき、もし、将来、重度の認知症になったら、その人に後見人の仕事をしてもらいます。
本人が重度の認知症になってからでは、本人が自分で後見人を選ぶことができないから、あらかじめ判断能力がある時に、将来の後見人を決めておくのです。

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